大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ラ)298号 決定

しかしながら、競売法による不動産競売手続においてたとえ競落許可決定が確定したときと雖も少くとも競落人において未だ競落代金を完納しない限り、その後基本たる抵当債権が弁済に因り消滅したときは債務者は消滅を理由として競売手続開始決定に対し異議の申立をなし、これが取消を求めることができるものと解するのを相当とする。けだし、競売手続は畢竟基本債権の配当弁済を目的として遂行せられるものにほかならないから、たとえ競落許可決定が確定し、該決定は取消すことができなくなつた場合であつても、いやしくも競売手続究極の目的たる債権がその後弁済に因り消滅した以上、爾後競売手続進行の目的実益を失い、かかる場合においては債務者は基本債権の消滅を理由として競売手続の基礎たる開始決定に対し異議を申立て競売手続の進行を阻止する実益があるからである、

(大場 下関 秦)

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